お客様が好きなタイプだと、接客中にムラムラしてしまうことがあります。こんな私ってセラピスト失格でしょうか?
私がいるお店は一般エステなのでエッチなことはしていませんが、このままだとルールを破ってしまいそうで自分でも心配です。
(都内メンズエステ勤務・さゆりさん)
今回は、お悩み相談室にこんなメッセージをいただきました。
メンズエステでお客様からの過剰要求に悩んでいるというお悩みはよくいただきますが、その逆パターンですね。
まず結論から申し上げておきますが、「セラピスト失格」なんて考える必要はありません。
これからその理由をお話していきますね。
接客中にエッチな気分になるのは「当たり前」
メンズエステでは、どんなに健全店を謳っているサロンでも密着施術などのキワドいサービスを求められることってありますよね。
例えば、ディープリンパ=鼠径部マッサージもそう。
実はここだけの話、好きなタイプのお客様の鼠径部を触るとき、ムラムラ興奮してしまうセラピストさんは少なくないようです。
だって、妄想するだけなら自由だし。
何を隠そう、私も現役時代にはそんな気分になったこともありました。施術中にお客様が勃起してしまったときなんて、そりゃもう……。もちろん、性的なサービスをしたことは一度もないですけどね。
知り合いのセラピストさんから
と打ち明けられたこともありました。
メンズエステで普通にマッサージをしているだけなのにムラムラするって「私、エロい女なのかな」と落ち込んでしまう気持ちもわかります(私もそうでした)。
でも、それって考えてみたら、人間なら当たり前のことですよね。女の子にも性欲があるのは当然のことです。
通勤電車の中で、目の前の座席にイケメンが座っていて頭の中でついエッチなことを考えちゃった……なんていう経験は誰にでもあるのではないでしょうか。ごく「普通」のことだし、とても人間らしいことだと私は思います。
動物には発情期がありますが、地球上の生き物で一年中発情できるのはウサギと人間だけだそうです(バニーガールはそこから生まれたのだとか)。
メンズエステは「健全」と「寛容」のせめぎ合い
施術中にムラムラしてしまう自分にうしろめたさを感じるのは、エッチ=悪いことという認識があるからでしょう。特に、健全店ではその傾向が強いですよね。
でも、誤解を怖れずに言えば、メンズエステにはある程度エッチな雰囲気も不可欠です。
(あくまでも雰囲気ですよ、フ・ン・イ・キ)
別の言葉では「寛容さ」と言い表してもいいかもしれません。
メンズエステで稼げるセラピストになるには、エロ要素を匂わせることも必要です。なぜなら、お客様はそれを求めているから。
そういうちょっとした色気を漂わせることって、自らもエッチな雰囲気を楽しもうという気持ちがなくてはやはりなかなかできないものなんです。
稼いでいるセラピストさんは、その辺りをちゃんと理解しています。
寛容な仕草で密着サービスをして、いざというギリギリのところで「寸止め」をする――という風に、お客様をいい意味で手玉に取るというか「手のひらで転がす」ことができるセラピストはやはり売れっ子になれるように思います。
メンズエステって、そうした健全さと寛容さが同居する場所でもあるんです。
施術中にムラムラしたときの対処法
とは言え、皆さん、くれぐれも勘違いしないでくださいね。
私は、性的サービスは決して推奨しません。ダメなものはダメ。絶対に、です。
では、施術中にエッチな気分になったらどうすればいいのか、対処法を提案します。
対処法1:別のことを考える
エッチな気分を抑えられなくなったら、頭の中で別のことを考えてみてください。
単純ですが、これが一番簡単で効果的です。
男性が射精を我慢するとき、わざと萎えそうなこと(例えば、数学の方程式とか)を頭に思い浮かべるという話を聞いたことないですか? あれと同じ理屈。
例えばメンズエステなら、鏡に自分の姿を映してみるんです。
ほとんどの場合、ルームには大きな姿見が設置されていますよね。施術中に興奮がピークに達しそうになったら、一度、客観的に鏡で自分の姿を見つめてみましょう。
きっと(ダメ! 私は何をしているの?)と我に返って、エッチな気分が一瞬で静まるはずです。
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対処法2:お仕事に昇華する
昇華というのは、フロイトという有名な精神分析医が持ち出した理論です。
ざっくり説明すると、満たされない性的欲求や攻撃欲求をスポーツや仕事などに打ち込むことで発展的解消させることです。
フロイトは、精神の発達段階には性欲が強い影響を与えていると主張していました。この理論に今では賛否がありますが、ムラムラした気分を安易に性的サービスで満たすのではなく、マッサージ技術の向上に転化するのは一石二鳥だと思います。
対処法3:プロ意識に徹する
以前のコラムでも書きましたが、メンズエステのお客様は受け身になることが多いため、精神的にMっぽい側面を持つ男性が多い傾向があります。
極端に言えば「あなた=女王様」「お客様=M男」という構図ですね。
だったら、そのようにイメージトレーニングしてみるというのもありでしょう。
私にはSMの経験はありませんが、SM系の風俗で女王様がプレイ中に発情してM男クンとエッチしちゃったなんて話は聞いたことがありません。
そりゃ、女王様だってプレイ中に興奮することもあるかもしれません。だけど、主従関係が崩れたらプレイとして成り立たなくなるから、自分を厳しく律しています。
つまり、職業としての女王様に徹しているわけです。まさに「プロ意識」ですよね。
メンズエステのセラピストはSM女王様みたいにふるまうわけにいきませんが、そうした関係性を重んじるプロ意識は見習うべきかと思います。
もっとも、Sっ気があると自覚している女性なら「男性の体を触って焦らしながら、お金ももらえるなんて最高」と思っているかもしれませんけどね(笑)。
お客様がエッチな要求をしてきたときの対応
あなた(セラピスト)が、施術中にムラムラしているとします。
すると、お客様がそれに気づいて、ここぞとばかりに過剰要求を仕掛けてくるというのも十分あり得る話です。
そんなとき、あなたはどう対応しますか。
欲情しているのに任せて、勢いで過剰要求に応じてしまう(?)
――いえ、さっきも言いましたが、絶対にダメです。
メンズエステでの過剰要求は、明らかに一線を越えた行為です。
そういうときこそ我に返って、スイッチを「お仕事モード」に切り替えて厳しく対応するようにしてください。
メンズエステでは少しでも「イケるかも」と思わせてはいけません。まして、一度応じてしまったら、次からはもっと要求がエスカレートしてきます。
そして、ある程度満足したら、そのお客はあなたから離れていきます。二度とリピーターとして帰ってくることはないでしょう。
だからこそ、あなたがどんなにエッチな気分になっていても性的サービスに応じてはいけません。
これは、上述したプロ意識の話にも通じます。
過剰要求に理性が揺れて、つい応じてしまうのは、あなたがセラピストというお仕事に本当の意味で「誇り」を持っていないからです。
少し厳しく聞こえるかもしれませんが、私はそうではないかと思います。
心のどこかで「こんな仕事……」みたいな負い目があるから、そこにつけ込まれてしまうんです。セラピストのお仕事にプロとしてプライドを持っていたら、過剰要求なんてきっぱりとはねつけられるはず。
むしろ、過剰要求をされたら(そんなに甘く見ないでよね!)と腹立たしく思うでしょう。
セラピストが施術中にエッチな妄想をするのはかまいません。ですが、それはそれ。性的サービスをすることとはきっちり線引きをしておくべきです。
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まとめ
メンズエステは密室で女性が裸の男性にマッサージを施すお仕事。
そんなサービス内容だけに、セラピストが施術中にエッチな気分になってしまったとしても無理もないことです。
お客様もリラクゼーションだけではなく、そうした艶っぽさも求めてメンズエステにやってきます。つまり、エロ要素はメンズエステの一部だとも言えます(健全店でも)。
少々暴論ですが「接客中にエロい気分になった」事実を自ら認められるセラピストが増えれば、メンズエステ業界はもっと活性化するかもしれないと思います。
繰り返しますが、施術中にエッチな気分になるのは悪いことではありません。「自制心」を保ちつつ、もっと開放的な気分でお仕事を楽しんでみてはいかがですか。