メンズエステで深夜帯に働くセラピストが、高確率で遭遇するのが酔っ払い客。
お店としてはよほどひどい酔い方をしていない限り、飲酒しているお客様を断ることはまずないでしょう。泥酔客でない限り、来るもの拒まずが基本です。
今回のコラムでは、そんなセラピストにありがちな疑問についてお答えします。
酔客を施術したセラピストに本音を聞いてみると……
まずはメンズエステで働くセラピストさんが酔っ払い客を実際にはどう思っているのか、本音を聞いてみましょう。
「正直来ないでほしい!」って思うけど、酔っ払って利用する人って気分が大きくなっているからお金をたくさん使ってくれる可能性が高い
同僚や友達と数名で来るという場合も結構ある。迷惑な部分もあるけど、お店にとってはある意味良いお客さんなのかも
「酔っ払いは好きじゃない」ってセラピストも多いけど、私はそんなに嫌いじゃないです。だって、ちょっと優しくマッサージしたらウトウトしちゃうから(笑)。あとはタイマーが鳴るまでゆっくり優しく続ければ良いんで、心身ともに楽ですね♪
代表的な意見のごく一部を取り上げましたが……皆さん、酔っ払い客にはちょっぴり困りつつも上手に対応しているようです。
酔客にマッサージを施すのは危険?
さっき「来るもの拒まず」と書きましたが……
実はメンズエステの多くは飲酒後のマッサージを推奨してはいません。
それには下記のような理由があります。
体調が悪くなることがある
マッサージを受けると筋肉がほぐれてリラックスして、血行が良くなります。
そのため、マッサージ前に飲酒をしていると、体内のアルコールが血流に乗ってすばやく循環して酔いが回りやすい状態になることがあります。
結果的に、アルコール摂取量がそれほど多くなくほろ酔いだったとしても、悪酔い状態になりやすいんですね。
そもそも、マッサージ後には好転反応と呼ばれる症状が出やすくなります。
好転反応とは
マッサージなどの施術を受けた後、体が回復する途中で一時的に起こる症状のことです。好転反応の症状は施術箇所や人によって異なりますが、痛みやかゆみ、だるさ、発熱、眠気、吐き気などがあります。
このような症状のため、ふらついて転んだりすることも。シャワーで転倒して思わぬ怪我をしてしまう恐れもあります。
あとで「怪我をしたがどうしてくれるんだ」なんて言われても、対応に困ってしまいますよね。
過剰要求をされることがある
メンズエステに来るお客様には、しらふなら良客なのに酔っ払うと地雷客化する男性もいるので困りものです。
飲酒をすると、判断基準が鈍ってしまいがちです。
その結果、普段は健全にメンズエステを利用している人でも、ついつい気分が大きくなってセラピストに絡んでしまうことがあるんです。
特に、酒乱タイプの人は、乱暴になったり暴言を吐いたりする危険が高め。
中でも、メンズエステで一番困るのが性的サービスの過剰要求です。
酔った勢いでワンチャン狙いをしてくる男性はたまにいます。
酔っ払い客ほど「大丈夫だから」とか「ちょっとだけ」と言ってきて……きっと酔った勢いでければ女性を口説けない、普段は弱気な男性なのでしょう。
もちろん、お客様が酔っ払いでもしらふでも、性的サービスを要求されたときはお断りするのがメンズエステの鉄則。
ただし、相手が酔っているときには段階を踏んで対処する必要があります。
具体的にはこんなやり方です。
2.それでもやめなかったら、きつめに断る
3.自分だけで対処できない場合はスタッフに助けを求める
いきなりきつい口調で断って逆ギレされても困るので、あくまでも冷静に伝えるのがコツです。
泥酔客は断ってOK
メンズエステではある程度の酔っ払いは許容するものの、度を越した酔っ払い=泥酔客は入店を拒否するのが一般的。
予約電話の段階でろれつが回らず、何を言っているのかよく分からないほど泥酔しているお客様は、その時点で受付スタッフがブロックして利用をお断りします。
だから、セラピストが泥酔客と顔を合わせることはまずないと考えていいでしょう。
ただし、上述したようにマッサージの最中に急激に酔いが回って泥酔状態になってしまうというケースは考えられます。
実際、私のセラピスト時代にもこんなお客様がいらっしゃいました。
そのかたはお酒に強くなく、普段はあまり飲まないタイプだったようです。
ある日、たまたま飲み会の帰りにマッサージをして欲しくなって来店なさったのですが、最初は(ちょっと顔が赤いかな)と思う程度だったんですね。
ご本人も軽く飲んだだけだったので大丈夫だろうとタカをくくっていたようなんですが……いざ施術を始めようとしたら時間差で酔いが回ってきたのか、ヘベレケ状態。
あのときはさすがにちょっと焦りました。結果的にはお店のスタッフを呼んで助けてもらったので事なきを得ましたけどね。
私は幸いにして何事もありませんでしたが、泥酔したお客様は
・暴言や暴力、過剰要求に及ぶ恐れがある
・施術によって体調を崩しやすい
といった特徴があるため、相手にしないのが吉だと思います。
酔客にマッサージをするときの対処法
泥酔とまではいかなくても、酔ったお客様を施術する場合には気を付けるべき点があります。
以下、順を追って説明します。
臭い対策をする
セラピストさんの中にはお酒やタバコの臭い(におい)が苦手な人もいると思います。
メンズエステの接客はお客様との距離が近いため、セラピストはどうしても臭いに敏感になりがち。苦手な方は下記のような防御策をとりましょう。
・歯を磨いてもらう
・念入りにシャワーをする
この場合、
などと言いつつ、優しく誘導してあげるのがポイントですね。
あまり強く揉みすぎない
先述したように、そもそもアルコールが入った状態でマッサージを受けるのはあまり好ましいことではありません。
だから、酔ったお客様に施術するときは普段のようにほぐすのではなく「撫でる」くらいのマッサージが適切です。
繰り返しになりますが、強めにほぐすとお客様の体調が悪くなってしまうことがあります。できるだけ弱い刺激で、優しくトリートメントしてあげるのがコツ。
ただし、マッサージをしている最中に心地よくなって、ウトウト寝入ってしまうお客様もなかにはいらっしゃいます。
その場合は無理に起こさずに、気持ち良く寝かせてあげるのがベター。
マッサージは続けながら、体勢はなるべく変えずそっとしておくのがいいでしょう。こういうお客様はかえって接客がラクですよ。
最後にシャワーを浴びるタイミングで起こしてあげるのですが……万が一、施術終了時間になって目覚めない場合は、お店のスタッフを呼んで助けてもらった方がいいかも知れませんね。
エチケット袋を用意しておく
酔っ払ったお客様は、マッサージ中に急に気分が悪くなってしまうこともあります。
施術前は気分が悪そうでなくても、念のためエチケット袋を用意しておくと安心です。
また、酔い覚ましのお水も用意しておくと完ぺき。
と喜ばれて、次回の指名につながる可能性大ですよ。
まとめ
今回はメンズエステに酔ったお客様がいらっしゃったときの対処法をお伝えしました。
メンズエステではよほど泥酔したお客様でない限り、受付でブロックすることは基本的にはありません。
とは言え、酔客にマッサージをするのは本来あまりおすすめできるものではありません。思わぬ怪我や体調不良の原因になることもあるので、がっつりとしたマッサージではなく、軽めに撫でるようなリラクゼーションがおすすめです。
また、酔っ払ったお客様は気が大きくなっているので、過剰要求にも要注意。
これらに気を付けてうまく対処できれば、酔客はお店にとって(もちろん、セラピストにとっても)案外「上客」と言えるかも知れませんね。